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正伝寺での再会

September 30, 2018

 

昨年ノーベル文学賞を受賞した日本人(イギリス人)カズオ イシグロが言った

「人生は短い、思っているよりも・・・」という言葉がずっしりと私の心にのっかっているようだ。

 

多くの人がこの世に生まれ、そしてこの世から去って行く、日常の中で仕事を通して昨年も多くの看取りを経験し、このままでは体がもたないのではと思うほどだった。

 

そんな最中、昨年11月5日午後5時から同窓生有志によるお月見の会が西賀茂の正伝寺で行われた。10月4日の15夜 前の月は有名だが11月1日の13夜、後の月については余り知られてないように思う。

 

この日は急に癌性腹膜炎で腹水がパンパンに溜まっている患者さんの所で腹水穿刺をすることになり、西賀茂北鎮守庵町にある同級生の山崎君が住職をしている正伝寺に向かった時にはとっぷり日も暮れていた。(同級生というだけで参加して申し訳ない)

 

本堂にたどり着くまで暗闇の中、篝火を目指し一気に階段を駆け上った。

 

日も暮れた18時00分巨大な満月が比叡山の北の山の端から上がる。同席した数名の同級生と遙か悠久の昔(戦国時代?)に戻ったような錯覚に陥った。

本殿から「獅子の児渡し」と称される枯山水の庭の向こうには土塀がありその先は鬱蒼とした森の漆黒の闇のなかに浮かぶ東の山々とくに標高848mの比叡山はなだらかな尾根を眼下に見せながら、大文字山(466m)に連なっている。

 

建物が一切なく光も何もない戦国時代にタイムスリップし今にも戦いが始まりそうな雰囲気の中、篝火が参加者の顔を浮かび上がらせた。皆一様に年老いていた、私自身もそうなのではあるが壮年というよりも老年期に入った爺婆そのものである。戦場のメリークリスマスならぬ戦場の13夜である。

 

比叡山の北の山端から上がる満月(お菓子の名前ではありません)は赤く大きくくっきりとその出現はまさに幻想的な光景であった。だんだんと月は天上に上り徐々に東山のほうに小さくなって移動してゆく。

 

我々同級生は酒を酌み交わし料理に舌鼓を打ち(といっても缶ビールに弁当ではある)時間を忘れ月を観ながら共に楽しい一時を過ごした。

地球と月が誕生して以来どれくらいの人がこの光景を見てきたのか私には分からない。

ほんの一瞬この世に生を受けた私共が先人と同じ景色を見て、人生の短さについて考え、暫し心の洗われる時間を持てたことに感謝。

来年も同じメンバーに逢えることを祈念してお開きとなった。

 

地域にこのようなお寺がある事に縁を感じつつ、この縁を大切に地域に根差した医療介護を今後も提供していくことを誓う。

 

【正伝寺について】

京都ゴルフ倶楽部の舟山コースの中にあるこの寺は観光寺院のようである。観光スポット1245件中238位である。伏見城の血天井で有名(この天井はあちこちの寺院にある) 臨済宗南禅寺派で吉祥山正伝護国禅寺とよばれ、その庭(小堀遠州作)はデビッドボーイが涙したと言われるくらい有名だそうである。1260年東厳慧安禅師により創立1282年賀茂の祀官 森 経久が西賀茂の地に荘園を寄附、現在の地に建立しかし応仁の乱にて消失、後徳川家康によって再興された。

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